息子と受験と狂想曲

受験と教育よもやま話

和田秀樹氏の「塾の信者になった親が子供をつぶす実態」と言う記事を読んで思う事。成績が低迷した時に助けてくれる塾は非常に少ない。

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塾についての考え方は様々あると思います。

以下は個人の意見であることをご了承ください。

 

塾とは本来こうあるべきではないだろうか

 

11月4日の「東洋経済オンライン」

「<塾の信者>になった親が子どもをつぶす実態」と言う記事。

著者は精神科医でもあり、通信制の受験塾もされている和田秀樹さんです。

  

この記事の一部を抜粋しますと、 

私はひとえに「やり方次第」だと思います。子どもが受験で失敗したとき、それは子どもの頭が悪いせいではなく、勉強不足でもなく、むしろ「やり方」や「教え方」が合っていないせいだと言われたら驚くでしょうか。でも私は、そう思っています。

 

本来、受験指導ではその子に合わせた課題を出すのは当たり前なのですが、世の中の親の90%は当たり前のことをせず、カリキュラムの合わない塾に通わせます。

<全文は文末にサイトを掲載> 

 

この意見には全く同意です。

勉強の正しい方向性と方法を示し、課題克服の手助けをしてくれる人がいれば、

低迷している成績は飛躍的に伸びます。

塾とは本来、この具体的な手助けをするためにあると思うのですが、

実践している塾は意外と少ないのです。

 

塾ジプシー 

 

高校1年から現在まで、

小規模進学塾の一貫生用の集団授業と個別指導を併用していますが、 

中学生の間はずっと塾ジプシー。

息子に合った塾を探るために、様々な種類の塾を試しました。

 

*集団塾:鉄緑会、中高一貫生専門の集団塾(大手と小規模の2か所)。

*個別指導:進学塾の個別指導コース。

先生はプロから大学生のアルバイトまでいろいろ。

*自習型:Z会四谷学院55段階、東進、スタディーサプリ。

 

いろいろ使ってますね。

いろいろ通って分かったことは、

 

1.集団授業でできる人は、基本的には塾に通う必要がない

2.自学自習型の塾や教材・映像学習には適性がある。

3.個別指導塾は玉石混淆

  

集団授業形式の塾

 

集団授業の塾に通う目的は、

塾に勉強のペースメーカーになってもらいたいか、

先取りをしたいか、のどちらか。

それ以外の人は行ってはいけないと思います。

 

自分一人では怠けてしまうとか、効率の良いスケジュールがほしいとか、

「学校の授業がゆっくりで退屈!」とか。

 

集団授業は、成績が低迷してしまっている人には不向きです。

特に英語・数学に関しては、弱点補強にはほとんど役に立ちません。

 

特に注意が必要なのは中高一貫生用の大手塾と予備校系の中・高校生コース

ここでは必ずと言っていいほど「先取り」をします。

中高一貫校は、学校の授業自体が先取りです。

その更に先取りをするのですから、学校の成績にかなり余裕がないと、

学校と塾の共倒れになってしまいます

「塾に通って成績が下がる」というのはこういうことだと思います。

一時期、我が家がまさにそうでした(愚かでした)。

 

KING OF JYUKU といえば鉄緑会」。 

「塾に通う必要のない人が通う塾」の代表だと思うのですが、

あそこに通う人は「実力強化」が目的です。

東大や京大を何度受験しても合格するという強力な力をつけるため。

オリンピック出場選手の強化合宿みたいなもので、

オリンピックに出ることではなくて、メダルを取ることが目的なんですね。

こういう場所に安易に通うと大変な目に遭います。

 

鉄緑会に限らず、

集団授業は程度の差があるものの、基本的にはどこも同じだと思います。

  

自習型の塾と教材学習

 

自習型で試したのは、

公文式(小学校)、Z会四谷学院、東進、スタディーサプリ。

 

Z会はなによりも、強力な自制心が必要です。

四谷学院55段階はコツコツ型の人向き。公文式が合うならいいかも。

・東進は補助教材としてならいい。ただし映像に強いかどうかで分かれます。

スタディーサプリも東進と同じ

 

この中で弱点克服に役立ちそうなのは四谷学院・55段階個別指導」でしょうか。

これだけで十分という訳ではありませんが、

すべての単元が網羅されてるので穴探しにはいいと思います。

 

確認テストに合格しないと進めないので自動的に繰り返し学習になりますし、

質問できる講師も付いているのでその場で解説してもらえます。

ただやはり講師は質問に答えるだけなので、

ここで穴探しをした後は、復習したり、確認したりと、

そういう作業をしてくれる場所が必要になってきます。

 

個別指導の塾

個別指導はほんとに玉石混淆です。

通う先を選ばないと、お金と時間の無駄使いになってしまいます。

 

本当に使える個別指導塾は中学受験~大学受験までほぼ同額で、

1時間1万円前後が相場です。

形式によって前後しますが、

大幅に下回るようだと中身を疑ったほうが懸命です。

大学生の講師だと若干安いですが、

最初のコラムに書かれているような「最適な課題を与える」を期待するなら、

プロの講師を選んだ方が良いかもしれません。

 

よくある個別指導はこのような感じではないでしょうか。

1、子どもが分からない問題を質問する。

2、講師が解説する。

3、その場で子供が再度解いてみる。

4、できればそれで終了。できなければ更に説明をする。

 

良心的な塾ならこの後に類題を出すでしょうけど、

2週間、1か月と時間が経ってからの確認や、

何が分かっていなくてできないのかという詳しい分析はしてくれないと思います。

成績が良好な子はこれでいいと思います。

でも低迷している子は、これでできるようにはなりません。

 

個別指導というものは、

その子の課題を見つけ、

克服に向けての最適な方法を示すことができなくては意味がありません。

和田氏が言うように自分でそれができればいいのですが、

できない場合は人に頼むしかありません。

ところが子供の質問にただ答えるだけの

昔の学生家庭教師のような個別指導塾が多いのが実情ではないでしょうか

 

成績回復を手助けしてくれる塾はごく少数

低迷した成績を回復するために、知恵を貸してくれる塾は非常に少ないです。

少ない塾をどうやって探すか。

世知辛い話ですが、そこはやはり料金に比例するように思います。

 

成績が向上するには半年から1年近くかかります。

6か月目頃から何らかの兆しが見え始め、はっきりしてくるのが8か月目頃。

成績として表れるには、やはり1年近く経ってからだと思います。

どんな塾でもその成果が分かるには、8か月~1年通う必要があります。

 

もし成績低迷に本気で悩んでいるのなら、

1年間だけ、

プロの個別指導か家庭教師にお願いしてみるのがいいかもしれません。

お子さんには、

「この費用はお父さん・お母さんの血と汗だからね!」

と念押しをしましょう。

いい加減な気持ちでいられたのではたまったものではありません。

成績回復には気迫が必要です。

 

我が子の場合

中学受験で基礎を固めることの大事さを痛感した我が家は、

受験勉強が本格的に始まる高校2年まで、

絶対に基礎に穴を開けない事を目的に塾通いをしました。

中学生の間「塾ジプシー」だった我が子ですが、

その結果どうだったかと言いますと・・・。

 

まず最初の集団塾2校は散々な結果に終わりました。

その頃は学校の成績も悪くなく、学年では真ん中より少し上くらいだったのですが、

基礎を固めるという目的には全く合わない所に行ってしまったために、

「塾で成績が下がる」の代表例のようになってしまいました。

完全にこちらの失策です。

 

中2の秋に集団塾はすべて辞め、

小規模の一貫生用の塾に移り、その塾の個別コースに通いました。

講師は大学生のアルバイト先生。

高2の秋以降はプロの先生に変更しました。

 

基礎固めにはいいのではないかと、

個別と併用して四谷学院」を1年間利用しましたが、

これが全く合いませんでした。

息子は公文式も合わなかったのですが、

理由は全く同じで「ステップ式」が苦痛で仕方ない。

合格しない事には前に進めないので、それが辛いそうです。

「取り敢えず前に進んで戻る」が許されませんからね。

 

東進の映像も試しましたが、これもダメ。

息子は「生身の人間」に教えてもらわないと頭に入ってこない子なので、

映像ではムリでした。

一度自分で「先取り」をしようと、参考書で試したことがあるらしいのですが、

文字が目の前を通り過ぎていくだけで、全く入ってこなかったと言います。

 

文字を読むことに弱いのでしょうか?

でも画像も音声もダメですからねぇ。

とにかく「自学自習」ができないので困ります。

 

息子はちょっと特徴のある子で、

どの塾に行っても、他のみんなが分かるところが分からなくて、

先生が難しいからと注意するところが、案外すっきりと分かったりする。

なので自分が本当に聞きたいところは「ここはもういいね」と飛ばされてしまったりするらしく、

成績が良くても悪くても「集団授業」には不向きは子です。

 

いろいろ試した結果、

息子は「個別指導」以外に道がないとわかり、現在に至っています。

心配なのは浪人した時です。

どうしましょう?

 

和田秀樹氏の記事(サイト)

toyokeizai.net